住友理工

 

自然共生社会への貢献 Contributing to a Nature-positive Society

従業員、地域社会、地球環境

基本的な考え方

住友理工グループは、天然ゴムをはじめ、大気や水、鉱物など、様々な自然の恵みを利用して事業活動を行っています。私たちの事業活動により自然の恵みを汚したり無くしたりすることなく、後世に引き継いでいく責任があることを認識し、環境長期ビジョン2050において自然共生社会の実現を掲げました。
この考えのもと、生物多様性保全としての里山・水辺の活動や希少種保全活動、近隣地域の美化活動の他、サプライチェーンに関わる環境保全にも活動範囲を広げていきます。
住友理工は、2030年までのネイチャーポジティブに向けた活動に取り組んでいきます。

TNFD提言に基づく情報開示

住友理工グループは、自然資本および生物多様性への影響と依存関係を踏まえ、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づく情報開示の高度化を進めています。 自然との共生を重要な経営課題と位置づけ、リスクと機会の把握・管理および開示の充実に取り組んでいます。

自然共生社会の実現に向けた活動

水辺の保全活動

小牧市/大山川における河川環境保全活動

小牧製作所と隣接する大山川では、自然環境の保護と美化を目的として、地域の保全団体と定期的に除草や清掃活動を行っています。また、小牧市主催の大山川クリーンアップ活動では運営に参加し、毎年、従業員やその家族、地域住民と共に清掃活動に取り組んでいます。
場所:小牧市 大山川(小牧製作所隣接河川)
活動内容:地域主催のクリーンアップ活動への参加(河川敷の除草およびごみ回収等の清掃活動)
目的:河川環境の維持・改善および水域生態系への負荷低減
成果:継続的な清掃・除草活動による河川環境の維持管理
参加:28名<2025年度>

小牧市/小牧製作所周辺の河川における水生生物調査

住友理工本社がある小牧市では、環境教育の一環として市内の小学生が河川の水質調査を行っています。当社はこの取り組みに賛同し、小牧製作所横を流れる大山川での調査に毎年参加してきました。2025年度からは、参加校が6校に増え、大山川に加え市内の複数河川での調査にも協力をしています。調査当日は、小学生が安全に生き物を採取できるよう見守る他、採取された生き物の種類を一緒に調べるなどの支援を行っています。今後も地域と連携し、水辺の保全活動を継続的に支援していきます。
場所:小牧市 大山川、八田川、合瀬川
活動内容:水生生物(昆虫・魚類等)の種の同定による水環境調査
目的:水域生態系の健全性の把握
成果:水生生物の出現状況に基づく水環境の把握、地域の環境理解の促進
参加:551名<2025年度>

タイ・ラヨーン県/マングローブの植林

タイのSumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd. (SRK-ER)では、2014年からラヨーン県などで、マングローブ植林プロジェクトを実施し、毎年約1500本の苗木を植えるとともに、生存率や成長をモニタリングしています。
マングローブ林は生物多様性を支える重要な生態系であり、減少が進む中、SEK-ERはその保全・再生を通じて生物多様性の維持・向上とCO2吸収による温室効果ガス削減に貢献しています。
場所:ラヨーン県(沿岸マングローブ生育域)
活動内容:マングローブ苗木の植林
目的:沿岸生態系の回復および生物多様性の維持・向上
成果:年間約1,500本の植林を実施
参加:100名<2025年度>

希少種の保全活動

小牧市/マメナシ自生地の保全活動

「マメナシ」は、東海地方を中心に生育するバラ科ナシ属の落葉高木で、環境省のレッドリスト絶滅危惧ⅠB類、愛知県のレッドデータブック絶滅危惧ⅠA類に指定されている希少種です。3月下旬から4月上旬に可憐な白い花を咲かせ、秋にはナシに似た1cmほどの実をつけます。
小牧市東部に位置する「大草のマメナシ自生地」は、マメナシがまとまって生育している国内最大級の自生地の一つです。自然状態で世代交代が可能な環境が長期にわたり維持されている点において価値が高く、愛知県の天然記念物に指定されています。
住友理工は、この自生地の価値を守り後世に伝えていくために、小牧市や市民ボランティア、専門家、学生と協働して、自生地の保全活動に取り組んでいます。
場所:小牧市 大草
活動内容:実生調査(更新状況の確認)、草刈り等の生育環境整備、モニタリング調査、観察会の実施
目的:希少種の個体群維持および世代更新が可能な生育環境の保全
成果:自生地における生育状況の継続的把握および生育環境の維持管理
参加:213名<2025年度>

特定外来生物の駆除活動

小牧市/オオキンケイギクの駆除・生育調査

小牧製作所では、2022年から特定外来生物であるオオキンケイギクの駆除活動を継続しています。本種は日本の生態系に影響を及ぼす恐れがあり、種子が輸送や通勤の車両に付着し、拡散する可能性が考えられるため、その土地で事業を営む企業の責任として取り組んでいます。2024年度からは、従業員の協力のもと製作所周辺の生育場所調査を実施し、結果を地図化することで分布状況を把握しています。今後は、これらの調査結果を活用し、市と連携して市内小学校の環境教育として駆除活動を企画していく予定です。
場所:小牧市 小牧製作所周辺(工場周辺緑地・道路沿い等)
活動内容:特定外来生物のオオキンケイギクの抜き取り・除去、および生育地点の調査・マッピング
目的:外来種の拡散防止および在来植物の生育環境の保全
成果:製作所周辺における分布状況の把握および継続的な駆除活動の実施
参加:87名<2025年度>

里山の保全活動

住友理工グループは、行政や地域の方々と協力して森づくりや里山の保全活動を行っています。行政との協定・契約に基づいて行うものや地域団体への参加など様々な活動があり、拠点ごとに地域に合った独自の取り組みを行っています。
間伐・枝打ちなどの森林整備活動への参加の他にも、イベントを通じて当社従業員と地元の皆さまとの交流を深めるとともに、環境教育の場として活用しています。
小牧市/兒(ちご)の森の整備

小牧市/兒(ちご)の森の整備

場所:小牧市 兒の森(都市近郊林)
活動内容:森林整備(間伐、落葉除去 等)
目的:都市近郊における生態系維持および景観保全
成果:森林の健全性向上
参加:38名<2025年度>
御嵩町(東海化成工業)/みたけの森の整備

御嵩町(東海化成工業)/みたけの森の整備

場所:御嵩町 みたけの森(里山林)
活動内容:間伐・枝打ち・下草刈りによる森林整備
目的:里山林の光環境改善および在来植物の生育促進
成果:下層植生の回復・生物生息環境の改善
参加:24名<2025年度>

ステークホルダーとのコミュニケーション

「2025年度小牧市自然共生パートナーシップダイアログ」の開催

小牧本社・製作所が所在する愛知県小牧市において、自然共生に関わる多様なセクター(企業・行政・市民団体・大学・中学校など)との連携を促進することで、小牧市における自然共生活動が一層活気づくことを期待し、2023年度より「小牧市自然共生パートナーシップダイアログ」を開催しています。

「尾張北部生態系ネットワーク協議会」での活動

小牧本社・製作所が所在する愛知県では、生態系ネットワーク形成を推進するために、県内を9地域に区分し、地域ごとに大学やNPO、企業、行政等からなる「生態系ネットワーク協議会」を設置しています。住友理工は、「尾張北部生態系ネットワーク協議会」の会員として、地域の生態系ネットワーク形成活動に取り組んでいます。

自然共生に関する環境教育活動

犬山市/大学における自然共生に関する講義

2025年6月に住友理工の社員が、小牧製作所近隣の大学に招かれ、ゲスト講義を行い、「自然共生社会の実現に向けた住友理工の取り組み」をテーマに、住友理工が現在行っている自然共生活動を学生に紹介しました。この活動は、地域の自然共生活動を盛り上げるために進めている小牧市近隣の多様なセクター(企業・行政・市民団体・大学等)との交流活動の一環として行ったものです。
場所:名古屋経済大学
活動内容:「環境共生・里山SDGs概論」におけるゲスト講義の実施
目的:自然共生社会の実現に向けた理解促進および次世代人材への啓発
成果:学生・教員との意見交換を通じた自然共生に関する理解の深化および地域連携の強化

サプライチェーンにおける自然資本保全への取り組み

住友理工グループはサプライチェーンにおける環境負荷の軽減を目指しています。自然資本として、当社の製品と関わりが深い天然ゴムの保全のため、2022年7月に「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム(GPSNR)」に加盟しました。これを受けて「持続可能な天然ゴムの調達方針」を策定しました。

生物多様性に関する認証および連携

長野県池田町 住友理工の森がOECMとして登録

住友理工が里親契約を締結している「大峰高原生物多様性保全エリア」は自然共生サイト※1に認定されており、2025年度にOECM※2として国際データベースに登録されました。
この「大峰高原生物多様性保全エリア」は、長野県北安曇郡池田町の北部に位置する標高約1,000m、面積約 116haの高原で、国や県のレッドリストに掲載されている野生生物が18種確認されています。当社は「大峰高原里山整備利用推進協議会」の一員として、持続的な里山の管理や、自然環境の維持に取り組んでいます。
場所:池田町 大峰高原生物多様性保全エリア
活動内容:里山の維持管理(下草刈り、植生管理等)および地域協議会への参画による保全活動の推進
目的:地域における生物多様性の保全および持続可能な里山利用の実現
成果:環境省の「自然共生サイト」に認定(2024年度)され、OECMとして国際データベースに登録(2025年度)
参加:46名<2025年度>
※1「自然共生サイト」は、民間の取り組みで生物多様性が保全されている区域を認定する仕組みで、「30by30」の達成を目指します。「30by30」は2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する国際目標です。
※2「OECM」は、自然共生サイト認定区域のうち、保護地域以外で生物多様性の保全に資する地域を指し、Other Effective area-based Conservation Measures の略称です。

小牧市と自然共生社会の実現に向けた連携協定を締結

住友理工は2025年2月に愛知県小牧市と「自然共生社会の実現に関する連携協定」を締結しました。この協定をもとに、当社は生物多様性の保全および多様な生物の生息・生育場所となる地域環境保全に関する事業の連携・協働を推進しています。

「あいち生物多様性企業認証 優良認証企業」に認証

愛知県では、企業による生物多様性保全の取り組みを促進するため、優れた取り組みを実践している企業を認証する「あいち生物多様性企業認証制度」を設けています。住友理工は、2025年11月に「あいち生物多様性企業認証 優良認証企業」として認証されました。

「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に参画

住友理工は2024年3月に、将来に向けて生物多様性に取り組む企業として、経団連自然保護協議会が主催する「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」へ参画しました。これは、一般社団法人 日本経済団体連合会と経団連自然保護協議会が提唱する「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」を構成する項目に取り組み、また全体の趣旨に賛同するものです。

今後の課題と対応

住友理工グループは、事業活動が地球資源や自然環境、生物多様性とどのように関わっているかを明確にし、その影響や必要な取り組みを社内で共有していきます。これにより、自然との共生を単なる「社会貢献」ではなく、事業の一環として社員一人ひとりが自分ごととして捉えられるよう、意識の浸透を図ります。
また、各拠点では地域の特性に応じた活動方針を定め、地域に根ざした取り組みを進めます。
さらに、原材料や部材が環境に与える影響にも配慮し、サプライチェーン全体で自然との共生を目指していきます。
住友理工

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