住友理工

 

自然共生社会への貢献 Contributing to a Society in Harmony with Nature

従業員、地域社会、地球環境

基本的な考え方

住友理工グループは、天然ゴムをはじめ、大気や水、鉱物など様々な自然の恵みを利用して事業活動を行っています。私たちの事業活動により自然の恵みを汚したり無くしたりすることなく、後世に引き継いでいく責任があることを認識し、環境長期ビジョン2050で自然共生社会の実現を掲げました。そのため生物多様性保全としての里山・水辺の活動や希少種保全活動、近隣地域の美化活動の他、サプライチェーンに関わる環境保全にも活動範囲を広げていきます。
住友理工は2030年までのネイチャーポジティブに向けた活動に取り組んでいきます。

自然共生社会の実現に向けた活動

里山の保全活動

住友理工グループは、行政や地域の方々と協力して森づくりや里山の保全活動を行っています。行政との協定・契約に基づいて行うものや地域団体への参加など様々な活動があり、拠点ごとに地域に合った独自の取り組みを行っています。
間伐・枝打ちなどの森林整備活動への参加の他にも、イベントを通じて当社従業員と地元の皆さまとの交流を深めたり、環境教育の場として活用しています。
御嵩町(東海化成工業)/みたけの森の整備
松阪市/夏祭りでの松阪の森クラフト工作
小牧市/兒(ちご)の森の整備

水辺の保全活動

水生生物調査

住友理工本社がある小牧市では、環境教育も兼ねて市内の小学生が河川の水質(水の汚れ具合)を調べる活動を行っています。当社はこの取り組みに賛同し、小牧製作所の横を流れる大山川での調査に毎年参加しています。調査当日は、小学生が安全に川の生き物を採取できるよう見守る他、採取された生き物の種類を一緒に調べるなどのサポートを行っています。今後も地域と連携しながら、こうした水辺の保全活動を継続的に支援していきます。

マングローブの植林

タイのSumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd. (SRK-ER)では、2014年からマングローブの植林プロジェクトを実施しています。SRK-ERがあるラヨーン県などで、毎年約1500本のマングローブの苗木を植林し、生存率と成長度合いをモニタリングしています。
マングローブ林は「海の命のゆりかご」とも言われ、生物の多様性に富んだ豊かな生態系を作り出しています。タイにおいてはマングローブ林の減少により、この豊かな生態系が危機に瀕しており、SRK-ERでは生物多様性の維持・向上のためこのプロジェクトを推進しています。マングローブ林はCO2を吸収し、多量の炭素を貯留すると考えられており、温室効果ガス削減の役割も果たしています。

希少種の保全活動

マメナシの保全活動

「マメナシ」は日本では東海地方を中心に生育するバラ科ナシ属の落葉高木で、環境省のレッドリスト絶滅危惧1B類、愛知県のレッドデータブック絶滅危惧1A類に指定されている希少種です。3月下旬から4月上旬に可憐な白い花を咲かせ、秋にはナシに似た1cmほどの実をつけます。
小牧市東部の「大草のマメナシ自生地」はマメナシがまとまって生育している日本国内最大の自生地の一つであり、自然状態で世代交代ができる環境が長期にわたり維持されているという点で価値が高く、愛知県の天然記念物に指定されています。住友理工は小牧市や地域ボランティア、大学の専門家と連携し、実生(みしょう)調査や草刈りなどの保全活動、観察会の運営を行い、自生地の価値を守り後世に引き継ぐ取り組みを行っています。

特定外来生物の駆除活動

オオキンケイギクの駆除活動と生育場所調査

小牧製作所は「オオキンケイギク」の駆除活動を2022年から継続して実施しています。オオキンケイギクは日本の生態系に重大な影響をおよぼす恐れのある植物として、外来生物法による「特定外来生物」に指定されています。オオキンケイギクの種子が輸送や通勤の車両に付着し、拡散する可能性が考えられるため、その土地で事業を営む企業の責任と捉え活動を行っています。そこで、駆除活動とともに製作所周辺の生息場所を調査し、その情報を地図にまとめることで、分布の様子が一目でわかるようにしています。これは従業員に対する啓蒙活動の一環としても実施しています。

拠点周辺の保全活動

周辺美化活動

住友理工の各製作所・事業所、また東海化成工業などグループ会社では、従業員ボランティアによる周辺清掃を定期的に実施しています。
近隣水路清掃活動(松阪事業所)
ごみゼロ活動(住理工大分AE・住理工九州・東海化成九州)
松野湖清掃活動(東海化成工業)

大山川の保全活動

小牧製作所と隣接する大山川は私たちの事業と密接に関わっており、自然環境の保護と美化を目的として、地域の保全団体と定期的に除草作業や清掃活動を行っています。また、小牧市主催の大山川クリーンアップ活動に参加し、毎年、従業員やその家族、地域住民と共に清掃活動を行っています。

ステークホルダーとのコミュニケーション

「小牧市自然共生パートナーシップダイアログ2024」の開催

小牧製作所がある愛知県小牧市にて自然共生に関わる多様なセクター(企業・行政・市民団体・大学など)と協働することで、小牧市の自然共生活動がより活気づくことを期待し、2023年度から「小牧市自然共生パートナーシップダイアログ」を開催しています。

「尾張北部生態系ネットワーク協議会」での活動

小牧製作所がある愛知県では、生態系ネットワーク形成を推進するために、県内を9地域に区分し、地域ごとに大学やNPO、企業、行政等からなる「生態系ネットワーク協議会」を設置しています。住友理工は、「尾張北部生態系ネットワーク協議会」の会員として、地域の生態系ネットワーク形成活動に取り組んでいます。

自然共生に関する環境教育活動

大学生への環境講義

2024年6月に住友理工の社員が、名古屋経済大学に招かれ、「環境共生・里山SDGs概論」のゲスト講義を行いました。「自然共生社会の実現に向けた住友理工の取り組み」をテーマに、住友理工が現在行っている自然共生活動を学生に紹介しました。この活動は、地域の自然共生活動を盛り上げるために進めている小牧市近隣の多様なセクター(企業・行政・市民団体・大学等)との交流活動の一環として行ったもので、学生・先生方とCSR・自然共生に関する活発な意見交換を行うことができました。

こまきこども未来大学での環境講座

2024年8月に小牧市の小学生を対象とした講座「こまきこども未来大学2024」を開催しました。当日は、エプソン販売株式会社と協働で「紙から考えよう!SDGs」をテーマに、再生紙を活用したクラフト体験などを交えた体験型教育を実施しました。

※小牧市の小中学生を対象に、企業や団体からSDGsや社会について様々なことを学ぶ小牧市主催の講座

サプライチェーンにおける自然資本保全への取り組み

住友理工グループはサプライチェーンにおける環境負荷の軽減を目指しています。自然資本として、当社の製品と関わりが深い天然ゴムの保全のため、2022年7月に「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム(GPSNR)」に加盟しました。これを受けて「持続可能な天然ゴムの調達方針」を策定しました。

生物多様性に関する認証および連携

住友理工の森が自然共生サイトに認定

住友理工が里親契約を締結している「大峰高原生物多様性保全エリア」が、2024年度に環境省の定める生物多様性保全区域「自然共生サイト」に認定されました。
この「大峰高原生物多様性保全エリア」は、長野県北安曇郡池田町の北部に位置する標高約1,000m、面積約 116haの高原で、国や県のレッドリストに掲載されている野生生物が18種確認されています。当社は「大峰高原里山整備利用推進協議会」の一員として、持続的な里山の管理や、自然環境の維持に取り組んでいます。

※「自然共生サイト」は、民間の取り組みで生物多様性が保全されている区域を認定する仕組みで、「30by30」の達成を目指します。「30by30」は2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する国際目標です。

小牧市と自然共生社会の実現に向けた連携協定を締結

住友理工は2025年2月に愛知県小牧市と「自然共生社会の実現に関する連携協定」を締結しました。この協定の締結により、生物多様性の保全および多様な生物の生息・生育場所となる地域環境保全に関する事業の連携・協働を推進します。

「あいち生物多様性認証企業」の認証を取得

小牧製作所がある愛知県では、企業の生物多様性保全に関する取り組みを促進するため、優れた取り組みを実践している企業を認証する「あいち生物多様性企業認証制度」を設けています。住友理工は2023年11月に「あいち生物多様性認証企業」の認証を受けました。

「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に参画

住友理工は2024年3月に、将来に向けて生物多様性に取り組む企業として、経団連自然保護協議会が主催する「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」へ参画しました。これは、一般社団法人 日本経済団体連合会と経団連自然保護協議会が提唱する「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」を構成する項目に取り組み、また全体の趣旨に賛同するものです。

今後の課題と対応

住友理工グループは、事業活動が地球資源や自然環境、生物多様性とどう関わっているかを明確にし、その影響や必要な取り組みを社内で共有していきます。これにより、自然との共生を単なる「社会貢献」ではなく、事業の一環として社員一人ひとりが自分ごととして捉えられるよう、意識の浸透を図ります。
また、各拠点では地域の特性に応じた活動方針を定め、地域に根ざした取り組みを進めます。
さらに、原材料や部材が環境に与える影響にも配慮し、サプライチェーン全体で自然との共生を目指していきます。
住友理工

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