「放熱できるウレタン」の製法開発。
世界初の製品を、自分の手で生み出す。

牧村 敏史2011年入社
モノづくり研究所 第1生産技術開発室
生物応用化学専攻

「つくり方」をつくる仕事。

発泡ウレタンという材料には、吸音性や遮音性といった防音性、発泡体であるが故の軽さと断熱性といった特性があります。それらの機能の他に「放熱」という機能を加えたのが、当社の独自技術である「MIF」です。その新たな特性を活かして今後、EV車(電気自動車)向けのモーターカバーや各種バッテリー放熱部材などへの応用が期待されています。
モノづくり研究所という部署の一員として私が現在担当しているのが、このMIFの製法開発です。ただし、世界初の製品なので、決まった製法(つくり方)が確立されているわけではありません。要素技術(根幹となる基本技術)の開発だけなく、生産技術の担当者などと連携しながら量産立ち上げまでを進めることが、私たちのミッションになります。長いプロセスを経て量産現場で成果が出たと実感できた時は、言葉に表せないほどの嬉しさがこみ上げてきます。

「まずはやってみる」という姿勢の大切さ。

私のモットーは、「まずはやってみる」ということです。たとえ世の中で通説とされていることがあってもすべてを鵜呑みにしない。まずは自分の手で試して自分の目で確かめ、そこで得られる小さな気づきを積み重ねていくことが大切だと思っています。
こうした姿勢は、過去に何度も失敗を経験しながら学んできたことです。以前、塗膜を形成する新製法を開発して量産体制に導入した時、ラボで何千回と繰り返し評価を行ったにもかかわらず、塗膜の厚みにばらつきが生まれてしまいました。気持ちが焦って視野が狭くなっていた私に上司がかけてくれたのが、「難しい状況の時こそ冷静に考察しなさい」という言葉です。そのアドバイスをきっかけに冷静さを取り戻し、課題の真因をとらえて解決することができました。
私の今後の目標は、革新的な製法の開発に挑戦することです。自分の知識だけに固執せず多様な知見を獲得し、豊かな発想力を鍛えながら、モノづくりのあり方を変えるような製法を開発してみたいと思います。

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