住友理工

 

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自動運転

センシングテクノロジー

自動運転の進化と
安全性を握るセンサー。

自動運転において、レベル2では運転者が、レベル3ではシステムがそれぞれ運転主体となります。条件外の走行や緊急時には、運転者がステアリングを握る必要があり、その際に確実に握っているかを検知するのが住友理工のセンシングテクノロジーです。さらに、センサーをシートに設置することで運転者や同乗者の心拍や呼吸などを検知し、より安全で快適な走行をサポートします。

ニーズ

より安全なクルマ社会を
実現する技術の開発を。

自動運転時、ある一定の条件下ではシステムによる自動走行が行われますが、緊急時などにはドライバー自身がステアリングを握ることが法規制により義務化されています。カメラによる認識システムでは死角になる部分もあり、より正確に検知できるシステムが必要とされていました。
また近年は高齢者のドライバーが増加し、高齢者による交通事故が社会的に問題となっています。事故の原因として指摘されているのが、運転中の体調の変化。技術的な側面からの解決策も求められています。

価値

柔軟なセンサーの開発で
“自動車事故ゼロ”を前進させる。

ゴムやエラストマー製の柔軟なセンサー「スマートラバー(SR)センサ」を開発。ステアリングに内蔵することで、どの場所を握っていても検知できるようにしました。柔軟性が高いため、従来のステアリングのデザイン、感触を変えることなく装着でき、違和感なく運転することができます。
また、SRセンサをシートに設置し、座面の圧力を計測することで心拍や呼吸の計測も可能に。ドライバーの健康状態を捉えることで、居眠りや体調変化の予兆を察知した際に運転支援システムが作動するなど、事故を未然に防ぐシステムの構築に寄与しています。

関連製品

ステアリングタッチセンサー

ステアリングタッチセンサー

電気を通す特殊な柔軟材料で作ったSRセンサをステアリングに内蔵。ステアリングを握る状態やポジショニングを検出し、自動運転から手動運転への安全な切り替えをサポートします。

DMS (ドライバーモニタリングシステム )

モニライフ・モビリティ
(ドライバーモニタリングシステム)

SRセンサを内蔵。シートに設置し、座面の圧力変化から生体情報(心拍成分や呼吸成分などによるバイタルデータ)を検知します。居眠りや急病の予兆などドライバーの状態を推定し、警告や運転支援システムの作動、外部への通報といったサービスへとつなげます。

interview

Sensing Technology

自動運転の進化に不可欠な
センサーの信頼性を向上させる。

新商品開発センター
モビリティ商品開発部

那須 将樹

ステアリングタッチセンサー
ドライバーがステアリングを確実に握っているか、どの位置を握っているかを検知することで、自動運転から手動運転への安全な切り替えをサポートするセンサー。自動運転システムの実現においてキーとなる技術です。
ステアリングタッチセンサー画像

環境の変化に負けない、
正確なセンシングをめざす。

ステアリングタッチセンサーは、CASEの1つである「Autonomous:自動運転」を実現するために欠かせない技術です。特に自動運転レベル2~3では、一定の条件を満たさない場面や緊急時において、ドライバーがステアリングを握る必要があります。その時、ドライバーがステアリングを握る状態やポジショニングを検出し、自動運転から手動運転への安全な切り替えをサポートするための重要な役割を担っています。
開発を試みた当時、この技術はすでに海外では一部が実用化されていました。他社製品をベンチマークしたところ、車載センサー独自の課題があることが分かりました。センサーはとても繊細なため、自動車に搭載した際、車内の温度や湿度などの環境によって、ステアリングに使用している材料がわずかに変化し、センシング性能に影響を与えてしまいます。あらゆる環境下で性能を維持するのは、とても難しいこと。特に灼熱から極寒、雨量の多寡など環境の変化が激しい車載用となると、ハードルはさらに高くなります。これらの条件をクリアすること。それが私たちの挑戦となりました。

素材開発、設計、量産。
あらゆるステップで試行錯誤する日々。

そもそも、車載用の電気デバイスを作ること自体が、住友理工にとって初めての試みでした。まず私たちが着手したのは、新素材の開発。環境の変化に強い材料を探し出し、そこからコアコンピタンス「高分子材料技術」の配合技術を駆使して、材料の配合パターンを組み替えるなど、分子レベルの開発を重ねました。
次いで、作り出した新素材を製品化するため、革新的な製法、高効率の量産体制の検討に着手。単に素材をステアリングに装着するだけではなく、クルマを動かしている他のシステムと連動させる必要があるため、当社だけでなく、協力会社と一緒になって最適な方法を模索しました。また、最終的にお客様に納品するために、ステアリングとしての組み立てやすさまで検証する必要がありました。その一つひとつが厳しい挑戦で、試行錯誤を繰り返す日々。2010年に開発をスタートして以来、気づけば完成までに丸5年の歳月が流れていました。

製品の完成と同時に、
次なるステージへ。

こうして完成した「ステアリングタッチセンサー」は、自動車製品の厳しい規格の中でも、安定したパフォーマンスを発揮できる製品となりました。さらに、製造工程で接着剤を使用しない設計にすることで、環境負荷低減にも貢献しています。すでに自動車メーカーでの採用が決まっており、今後は、この技術にさらなる磨きをかけ、品質を向上させることはもちろん、車内のあらゆるスイッチをセンサーデバイスでコントロールするなど、ステアリング以外への応用も視野に入れて開発を進めていく予定です。もちろん、自動車以外の分野にも展開できる可能性を大いに秘めています。私たちの挑戦は、まさに今、始まったばかりです。

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