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Project STORY#02 Project STORY

かつてない断熱材
「ファインシュライト®︎」

ニーズ開拓に挑む。

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モビリティの進化や
社会課題の解決に貢献。
「ファインシュライト」
用途拡大プロジェクト

薄くて、軽くて、柔らかい。そんな革新的な断熱材として誕生した「ファインシュライト」のニーズを発掘し、新たな事業を確立する。その使命を担っているのが、事業部を横断して組織された「新商品開発センター」です。このプロジェクトストーリーでは、同センターの4名のメンバーが「ファインシュライト」の用途拡大に向けて進めている取り組みをご紹介します。

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中野 潤 2004年入社

新商品開発センター

産業機械工学科出身

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木村 健二 2017年入社

新商品開発センター

マテリアル理工学専攻出身

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平松 彩 2019年入社

新商品開発センター

新商品企画部

英文学科出身

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廣瀬 和輝 2020年入社

新商品開発センター

製法開発部

物質・ものづくり工学専攻出身

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MISSION

独自の高分子材料技術を応用し、住友理工が開発した薄膜高断熱材「ファインシュライト」は、まさに“不可能を可能にする製品”だ。1mm以下の薄さで優れた断熱性を発揮するため、従来の断熱材では難しかった箇所や用途で使用できる。
しかし、「ファインシュライト」の認知度はまだ低い。そして、住友理工としてもその高いポテンシャルの生かし方を、まだ把握できていない。住友理工が高機能部品メーカーとして確かな地位を築いているモビリティ分野はもちろん、幅広い産業において「ファインシュライト」の用途を拡大することが、「新商品開発センター」が果たすべきミッションである。

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モビリティ分野でのニーズ開拓

世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが進むなか、自動車の電動化も加速している。そして、BEV(電気自動車)の心臓とも言えるのがバッテリーだ。バッテリーの性能や安全性をいかに高められるかが、BEVの進化を大きく左右する。
「新商品開発センター」では、次世代バッテリーの開発に「ファインシュライト」が貢献できると考えた。リチウムイオンバッテリーのセルとセルの間の断熱に「ファインシュライト」を用いることで、より安定的にバッテリーの性能を発揮できるようになると自動車メーカーへの提案を始めた。欧州の自動車メーカーに提案を進めている開発チームのリーダーである中野潤は、バッテリーの進化のために「ファインシュライト」が担える役割を、このように語る。
「バッテリーは性能の進化も大切ですが、いかに安全性を高めるかも非常に重要です。BEVのリチウムイオンバッテリーはいくつものセルを組み合わせて構成されていますが、ひとつのセルが異常発熱した際に、その熱が隣接したセルに伝わってしまうと車両火災を起こしてしまいます。そこで、断熱材が必要になる。しかし、セルとセルの間に割けられるスペースはごくわずかです。まさに、『ファインシュライト』の薄さが生きる条件が揃っているのです」
中野たちが目指しているのは、BEV用バッテリーへの2025年以降の実装化。自動車メーカーからの試作受注にすでに成功しており、欧州の製造拠点と量産化への体制構築も進めている。だが、実装化への道のりは簡単ではない。
「自動車メーカーにとっても電動化は大きなチャレンジであり、さまざまな試行錯誤を繰り返しています。だから、求められるバッテリーの仕様も毎週のように変わります。そうしたなかで、私たちはさまざまな課題をクリアし、求められる仕様を満たしていかなければなりません。幸いにも私たちの開発チームには優秀な若手がいるので、彼らの技術提案力を生かし、チームで開発を進めることで自動車メーカーの要求に応え続けてきました。ここまでプロジェクトを進めてこられたのは、そうしたチーム力のおかげですね」

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次世代バッテリーへの活用を提案するにあたっては、「ファインシュライト」の製法から見直す必要があったと国内自動車メーカー向けの先行開発を進めている木村健二は言う。
「製造のベースとなっている技術に変わりはありませんが、自動車メーカーからのご要望に応えるために、材料や製法を変えました。当初は材料を変えると製法に問題が生じてしまうなど、材料と製法の変更を両立させるのが困難でした。しかし、チーム一丸となって粘り強くトライを重ね、求められる条件を満たした『ファインシュライト』を生み出せました」
開発を成功させ、実績をつくることで「ファインシュライト」の未来は大きく変わると木村は展望を語る。次世代バッテリー向けの断熱材として広く認知されれば、国内外を問わず「ファインシュライト」への需要は高まり、住友理工の主力事業へと成長していく可能性もある。
中野同様に、木村もプロジェクトの推進にはチーム力が欠かせないと語る。「材料や製法を担う部門と連携しているからこそ、この先行開発を進めることができています。やはり、チーム力が住友理工の強み。この強みを生かせば、必ずこの開発は成功すると信じています」

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モビリティ分野以外での開拓

「ファインシュライト」を活用できる領域はモビリティ分野だけに限られない。では、いったいどこに需要があるのか?「新商品開発センター」でPR活動を手掛ける平松彩は、「当初は自分たちからメーカーなどに売り込みをかけていましたが、なかなか結果が出ませんでした」と話す。どこにニーズがあるのかもわからないなか、闇雲に営業をかけていても成果に結びつきにくい。平松は方針を変え、B to Bのマッチングサイトに「ファインシュライト」の情報を掲載した。
「マッチングサイト経由で、あるメーカーさんから工場の製造設備に使用したいとお問い合わせをいただきました。『ファインシュライト』を貼ることで設備が発する熱が空気中に伝わるのを抑えたいとお考えでした。断熱で工場内の温度上昇を防げれば、快適な作業環境を保て、空調使用の抑制によってCO2排出も削減できます」
そして、この事例が新聞に掲載されたことで、同様の用途で使用したいと多くのメーカーから問い合わせがあり、数多くの工場での導入につながった。確かな感触を得た平松は、さらなる販促に向けた体制づくりを進めた。グループ会社の住理工商事をはじめとした商社との協力体制を構築し、設備用途に特化した「ファインシュライト」の販促チラシも用意した。
「チラシの表面では『ファインシュライト』の効果を説明し、裏面では導入実績がある製造設備を掲載しました。そのため、チラシを見れば『自社の工場に導入できるのか』『どのような効果が得られるのか』を具体的にイメージできます」
平松たちのニーズ開拓は製造設備だけに限らない。電子機器製品への搭載など、すでに提案が具体的に進んでいるものもある。平松は、「ファインシュライト」の持つ高いポテンシャルへの期待も込めて、以下のように話す。
「薄い断熱材と言えば『ファインシュライト』をみんなが連想するくらいの製品にしたいですね。そのためにも、幅広い業界の人に『ファインシュライト』を知っていただけるようにPR活動を続けていきます」

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FUTURE

モビリティ分野をはじめとした多様な業界での用途拡大が現実化してくるなかで、新たな課題となったのが「ファインシュライト」の生産能力だ。量産化を行うには、これまでの製造体制では生産能力が不足する。
「大型設備での製造へ切り替えるためには、さまざまな分析が必要になるため、設計部門などの協力も得なくてはなりません。そこで、『ファインシュライト』のプロジェクトに関わる全メンバーに生産力拡大の必要性を理解していただき、設備の切り替えに向けて動き出しました」と生産技術を担う廣瀬和樹は語る。
量産化に向けては、さまざまな課題もあった。「新商品開発センター」のメンバーの多くはモビリティ分野の製品を手掛けてきたため、他分野で展開する製品の量産化には知見不足を感じることもあったと廣瀬は言う。
「初めての試みの連続でしたね。ただ、例えば制震ダンパーなど、自動車以外の分野を手掛けている事業部も住友理工にはあります。そうした事業部とも連携し、さまざまなアドバイスをもらって改善を進め、無事に量産化できる体制が整いました」
未知の領域に挑み続ける、「ファインシュライト」の用途拡大に向けたプロジェクト。住友理工が誇るチームワークが原動力となり、プロジェクトは着々と歩みを進めている。

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