住友理工

 

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私たちの研究開発

Our R&D

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自動車用防振ゴム

自動車とともに進化し続ける防振ゴム。
安全·快適な走りと、
環境への貢献のために。

防振事業本部
防振技術統括部

松居 宏渉

エンジンマウントやサスペンションのシャシー系部品をはじめ、1台の自動車には多いものでは60~70種類の防振ゴムが使用されています。自動車の進化に伴い、防振ゴムも進化しています。その最たるものの一つが電気式アクティブ・コントロール・マウント(E‑ACM)。エンジンの揺れの波形をコンピューターで解析し、その逆相の波形を電磁的に与えることで振動を打ち消すものです。また、将来的にはさらなる環境対応型の製品が求められています。軽量化による燃費向上への貢献などもその一つ。安全で快適な走行と、環境への貢献の両立に向け、たゆみない研究開発を続けています。

飛躍的に高性能な防振ゴムを開発

自動車の加速時の騒音について新製品と従来製品とで比較したグラフ( 左図)と、アクティブ・コントロールのオン/オフ時での振動抑制効果を比較したグラフ(右図)です。

バイオヒドリンゴム

製品化へのさまざまなハードルを越えて。

自動車用ホース事業本部
技術統括部
統括部長
坂崎 一茂

開発当初はバイオ材料の流通も少なく、商用化に向けた採算性の面で疑問視する声も聞かれました。さらに石油由来材料とコストを同等にすることに加え、全く同一性能であることを証明するという点でもさまざまな苦労がありました。バイオヒドリンゴムを使った製品展開としては、トヨタ自動車が国内生産車種のバキュームセンシングホースへの適用を進めています。現在は、ブレーキ系ホースや燃料系ホースといった、よりシビアな条件が求められるホース類への実用化に向けて開発を進めています。

※原料生成段階での削減効果

植物由来原料から生まれた、環境にやさしいゴム

高い耐油性・耐熱性が必要な自動車のホース類は、従来は石油由来原料で作られていました。住友理工がトヨタ自動車株式会社、日本ゼオン株式会社と協業して開発したバイオヒドリンゴムは、植物由来原料を分子レベルで石油由来原料と結合させる技術など、さまざまな複合化技術を駆使して生まれたバイオ合成ゴムです。耐油性・耐熱性・耐久性は、従来の石油系ヒドリンゴムと同等レベルを実現。しかも、大気中のCO2を吸収して生長する植物を原料にしているほか、製造段階での電力消費が少ないことによって、従来品に比べて製造から廃棄までのライフサイクルでCO2排出量を約20%削減できる、環境にやさしい新素材です。

制震技術

地震大国·日本で生まれた制震という
新たな技術を住友理工が牽引。

産業用機能部品事業本部
化工品事業部
免制振デバイス技術部
第3技術課
川畑 陽輔

地震大国といわれる日本では、今後も大地震が起こる可能性が高く、建築物の地震対策が不可欠です。地震対策には、「耐震」「免震」「制震」の3つの方法があります。耐震は、建物全体を固くし、地震の衝撃に耐える工法。免震は、免震装置によって建物と地盤を切り離し、地震の揺れを建物に伝えにくくする仕組みです。そして、制震は壁の中にダンパーを設置し、建物の振動を吸収して揺れを軽減するもので、住友理工が、いま最も力を入れているのがこの技術です。免震工法はコストが高く、地盤によっては適さない場合がありますが、制震の場合は地盤を選ばず、低コストで建物の安全を確保することができるため、大きな注目を集めています。

自動車事業で培った世界最高水準の防振技術を制震技術として建築へ応用

住友理工は、そのコアコンピタンスである高分子材料技術と総合評価技術を生かし、自動車分野の防振技術では世界最高水準の実力を誇っています。そこで培った技術とノウハウを、地震対策用へと応用することで、ここ数年大きな伸びを見せています。繰り返しの揺れに強く、コスト面のメリットが大きいという制震ならではの長所、そして世界トップレベルの防振技術の応用から生まれたダンパーは、住環境におけるソリューションデバイスとして大きな可能性を秘めています。制震という技術で、今後もより広範な市場に向けた住友理工の制震デバイスの活用が期待されています。

防振技術の鉄道車両への応用

安全性·快適性を追求する、独自のこだわり。

産業用機能部品事業本部
化工品事業部
技術部 技術課
玉木 健斗

新幹線をはじめとする鉄道車両において防振ゴムが使用されているのは、車両を支える台車部分。車両の上部にあたる客車部分については難燃性・不燃性に関する厳しい基準が設けられていますが、台車部分に関してはその基準の適用除外となっています。しかし、住友理工は万が一に備えて十分な難燃性を持った素材を開発し、その基準をクリアしています。また、ゴムは温度によって物性値が変化しやすい素材です。海外では日本国内の気候よりもはるかに過酷な極寒地や酷暑地などもあるため、ニーズに応じてさまざまな環境下での使用を想定した設計要件を独自に設け、それをクリアする製品を開発しています。車両の防振ゴムが一般の乗客の方の目に触れることはありません。しかし、見えないところで安全性や快適性を追求し続ける独自のこだわりこそが、住友理工の信念といえます。

自動車で培った技術を生かし
さらなる進化へ

鉄道車両の防振技術において、安全性と快適性はもはや絶対条件といえますが、今、注目されている性能のひとつが環境性。材料に環境負荷物質を使用していないかという厳しいチェック、さらに製品の製造工程においてはもちろん、交換後の廃棄処分のことまでを考えた製品開発が欠かせません。さらに鉄道事業者から強く求められているのが、耐久性。すなわちライフサイクルを延ばしてほしいというニーズです。従来の耐久年数を、その倍程度にまで延ばしてほしいという声が、ますます高まっています。ライフサイクルが延びれば、その分だけメンテナンスコストが削減できます。また、軽量化のニーズに応えるため、金属に替えて樹脂などの新たな素材を用いる取り組みを今後、鉄道車両分野に横展開していきたいと考えています。

スマートラバー(SR)センサ

一人でも多くの命を救える社会を目指して。

新商品開発センター
小久保 陽太

「しんのすけくん」は、心肺蘇生時の胸骨圧迫(心臓マッサージ)の訓練機器です。「スマートラバー(SR)センサ」を応用し、圧迫の深さやリズムなどを評価し、リアルタイムでフィードバックすることにより、訓練の質を高めることができます。これまでにない圧迫位置の可視化やストレッチャー上での訓練にも対応できるのが最大の特徴です。製品の開発時は、人によって手の大きさや形が異なるため、圧力値から圧迫の深さに変換する精度を高めるのに非常に苦労しました。「しんのすけくん」によって胸骨圧迫の質が向上し、一人でも多くの人の命を救うことにつながればうれしく思います。

健康介護事業室
宇佐美 早苗

プロフェッショナルはもちろん、一般の方からも正しい胸骨圧迫方法を取得する助けになると高い評価をいただいています。
製品の普及を通じ、社会貢献の一翼を担えることに喜びを感じています。

「しんのすけくん」を使った訓練を体験する山下市長

愛知県「こまき産業フェスタ」に出展
小牧市長も「しんのすけくん」を絶賛

2016年5月に愛知県小牧市にて開催された「こまき産業フェスタ」に、住友理工としてブース出展し、「しんのすけくん」のPRを行いました。同市の山下史守朗市長は開会の挨拶で、心肺停止の方にご自身が心臓マッサージを施されたという体験を報告。「直前に『しんのすけくん』で訓練していたおかげで、躊躇(ちゅうちょ)なく心臓マッサージを実践できた。日頃から訓練しておくことが大事。より多くの方に体験してもらいたい」と話されました。

住友理工 2018年 製品・技術レポート

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