CROSS TALK 02 年代や部署を超えたつながりが、
前に進む力になる。

各部署の第一線で活躍する女性社員が、それぞれの仕事やキャリアについて語ります。その中で見えてきたのは、世代や部署を超えたつながりの大切さ。住友理工ならではの風土が感じられる、女性社員座談会です。

MEMBERS

  • 1989年入社

    神戸 由美

    自動車新商品開発センター 事業企画室 担当次長
    (新事業開発センター T-RD推進室 兼務)
    理学部 地球科学科出身

  • 2007年入社

    藤井 なな子

    安全環境統括部 環境管理部
    工学部 応用化学科出身

  • 2007年入社

    岡本 未奈子

    ダイバーシティ推進室
    アジア太平洋学部 アジア太平洋学科出身

業務内容と、それぞれの仕事のやりがい。

――さっそく座談会を始めたいと思います。まず、皆さんの普段の関わりを教えてください。

藤井
私と岡本さんは同期入社です。神戸さんは以前同じ部署で働いていた時にお世話になった先輩です。当時いろいろと相談に乗っていただきました。
岡本
私は神戸さんと毎年お会いしています。当社には「スタッフレディの会」という女性社員の交流の場があり、そこでお話させていただいています。
神戸
毎年歓迎会を開いていて、女性社員の交流に役立っているよね。
藤井
はい。参加者の数も年々増えていて。「女性社員がこんなに増えたんだ」って、参加するたびにうれしくなります。

――皆さんが担当している仕事の内容を教えてください。

神戸
私は自動車新商品開発センターの事業企画室という部署と、自動車以外の商品を扱う新事業開発センターという部署を兼務しています。新しい商品や事業を創るための仕組みづくりや運営業務などを行っています。また、モビリティの将来を見据えた新商品のテーマを探索したり、新規事業を企画したりすることも私の仕事です。当社のいろいろな製品の技術を組み合わせたり、社内外の人たちの知恵をつないだりすることによって、新しい商品や事業を生み出していこうとしています。
藤井
私は、環境管理部という部署で仕事をしています。当社がグローバルに製品を展開する際、世界中の国や地域で設けられている化学物質の規制に抵触しない材料を使用する必要があります。そのため、国内外の規制化学物質についての情報を収集し社内に周知したり、材料の化学物質に関する法令などの相談事項について調査・報告することが、私の仕事です。まだこの部署に異動して日が浅いので、今はコツコツと知識を積み上げているところです。化学物質に関する法規制は対象製品によっても異なるので、幅広い知識が必要になります。
岡本
私は人事総務本部のダイバーシティ推進室という部署に所属しています。女性社員や障がいのある方などを含めて多様な方が活躍できる土台作りをしています。具体的には、ワークライフバランスを整えるための制度を導入したり、障がい者の雇用を推進したり、ダイバーシティ推進に関する社内研修を実施したりしています。私は元々、「人を支える仕事がしたい」という思いを持ってこの会社に入社したので、社員の働きやすさに直結する仕事に関われることに、やりがいを感じています。

この会社には、ロールモデルになる人がいる。

――皆さんは今までどのような仕事を経験してきましたか?今までの部署での仕事内容を教えてください。

岡本
私がダイバーシティ推進室に異動したのは2017年で、その前は採用担当や健康管理部門の仕事を経験してきました。今の部署では社内の制度づくりなどを行っていますが、そうした会社全体に関わる仕事をする上で、今までの経験が役立っていると感じます。
神戸
私は、これまで自動車以外の分野の仕事を長く経験してきました。大学の先生との共同研究に取り組んだり、お客様と直接やり取りしながら商品開発したり、幅広い経験をさせてもらいました。社内のいろんな部署の協力を得て仕事をしてたので、「この部署にこんなことをしている人がいるよ」といった情報がわかります。そのような情報を提供することで、異なる分野の人たちを結びつけ、新しいモノを生み出していけるのではないかと思います。
藤井
私は以前、新事業開発研究所という部署に所属していました。そこで取り組んでいたのは、10年先、20年先を見据え、社会に必要になると考えられる分野を研究テーマとして取り組んでいました。ですが、当時入社数年目の私には難しいテーマで、最初は悩みました。その時にフォローしてくださったのが神戸さんです。
神戸
そういう時もあったね。
藤井
神戸さんに相談したのは、仕事のことだけではありません。ちょうど結婚後だったので、家庭と仕事を両立してこられた先輩として個人的なことも相談しました。「神戸さんは産休と育休をどのくらいの期間取りました?」とか、「育休明けの仕事内容はどう変わりました?」という相談です。神戸さんは私にとってロールモデルになる方でした。
神戸
そうだったね。私も、2人の子供を育てながら仕事していたので、藤井さん以外からも、よく女性の後輩にそういうことを聞かれました。産休・育休でキャリアにブランクができることや、復帰後の育児との両立に不安を持つことは普通だと思う。
藤井
その時神戸さんから、「仕事に復帰したら大変なこともあるけど、自分のペースでやっていけばいいよ。あまり頑張りすぎないようにね」って言っていただいたんです。それで気持ちが本当に楽になりました。とてもありがたかったです。
神戸
私が大切にしてきたのは、自分の経験や考えを、そのまま伝えるということ。「神戸さんも同じことを経験したと言っていたな」と思い出してくれたら、本人の励みになるのではないか、と考えています。そして、それは、自分もそうだったからです。私がちょっと疲れている時に、女性の先輩から「大丈夫?ちゃんと休みなよ」と言ってもらったり。そういうちょっとした励ましが、大きな心の支えになった。みんな悩みながらそういう道を通ってきているよね。今は藤井さんが、後輩から同じことを聞かれるんじゃない?
藤井
そうなんです! だから私も、神戸さんに言われた通りのことを伝えています。「ゆっくりやっていくのが一番だよ」って。

多様な働き方を「当たり前」にしたい。

――現在は育児休業を取得して復帰する女性社員の方が多くなっていますか?

岡本
そうですね。私や藤井さんの同期は全員育休を取得して復帰していますし、後輩たちも多くの人が取得しています。そうしやすい理由の一つが、制度面の充実だと思います。私は今、6歳、3歳、1歳の子供がいますが、「短時間フレックス勤務制度」を利用して勤務時間を1時間短縮して働いています。この制度では通常の勤務時間より2時間まで短縮することができます。
藤井
フレックス制度は朝だけ子供を病院に連れていく時とか、本当に助かるよね。
岡本
そう。そして他にも、社内託児所の「コアラぽっけ」や、在宅勤務制度なども利用しました。それから、私の夫も住友理工の社員なのですが、私が3人目を出産した時、夫も2週間の育児休業を取得しました。「家事と上の子たちの世話は俺がやる!」と言ってがんばってくれて、すごく助かりました。夫の料理のレパートリーがいつの間にか増えていました(笑)。
藤井
すごい!
神戸
やっぱり今、岡本さんや藤井さんの世代が一生懸命やっているから、下の世代の社員にとってのモデルケースになっていると思うよ。
藤井
後輩たちも、みんなたくましく仕事に復帰しています。
岡本
私は、自分自身もそういう制度のありがたさを実感していますし、業務を通して社内の女性社員からも「こういう制度がなかったら仕事をやめなければいけなかった。本当に良かった」という声を聞いています。育児に限らず、多様な働き方が「当たり前」になることが大事ですよね。制度を整えるだけでなく、お互いの違いを受け入れられる風土ができれば、仕事をする上での不安をやわらげることができます。
ダイバーシティが「当たり前」になるようにサポートしていくことが、私の役目だと思っています。

――皆さんの今後の目標を教えてください。

藤井
私の部署には、化学物質関係のスペシャリストの方がいらっしゃいます。そういう方に近づくことが、第一の目標です。そして、私の場合は今までの研究部門での経験があるので、現在所属している環境管理部と研究部門の橋渡しをしていきたいと思います。化学物質に関する情報を分かりやすい形で提供したり、研究部門のニーズを上手に引き出して適切なフィードバックをしたり。そうした、自分ならではの役割を果たせる技術者になりたいと思います。

次の世代への「Give Back」。

神戸
私は今まで新規事業領域を中心に、開発、企画、管理といろんな業務に関わってきました。その中で培った知見や社内のネットワークを活かしていきたいということは、先ほどもお話した通りです。自動車業界について言うと、100年に一度の変革期と言われる中、自動車のあり方自体が大きく変わろうとしています。たとえば、自動運転技術がさらに進化した時に、クルマの中でどう過ごすことがより快適なのか。そういうことを柔軟な発想で考える時に、女性としての視点がすごく役立つと思います。消費者の視点、サービスを使う人の視点で考えて、私たちの方から自動車メーカーなどにアイデアを発信していくことも、より重要になると思います。
また、私の中で一つのキーワードになっているのが、「Give Back」という言葉です。この言葉は、2016年に社内のダイバーシティ講演会で登壇された、元IBMの内永ゆか子さんが言われていたことです。IBMでは、一定以上の役割になった人はGive Backする(お返しをする)という文化があるそうです。私も自分のできるGive Backをしていきたいと思います。
藤井
私たちも、神戸さんから教わったことをGive Backしていかないといけないですね。
岡本
私は後輩のロールモデルをめざすのと同時に、娘が2人いるので、娘たちのロールモデルにもなっていけたらいいなと思っています。仕事と家庭の両立って、現実にはやっぱり大変な部分が多いですよね。自分の至らない点や子供たちにしてあげられないことばかりが気になって、自分を責めたくなった時もありました。でも、最近娘が小学生になり、「ママが仕事をしている」ということを理解してくれるようになってきたんです。「お仕事、頑張ってね」と言ってくれて。
神戸
それはうれしいね。心強い励ましだね。
岡本
プラバンで作ったキーホルダーをくれました。「これをつければママは会社で頑張れるから、キーホルダーにするね」と言ってくれて。お守り代わりに持ち歩いています。そうやって理解してくれていることが、私にとっての励みになっています。それから、「ママの会社の製品が新幹線に使われているんだよ」とか、製品についての話をすることもありますよ。
藤井
私もしています。息子が新幹線が好きでよく見に行くので、その時に話します。「うちの会社の部品が使われているんだよ、すごいでしょ」って。「母ちゃんの会社すごい!」って言ってくれます。住友理工で働いていることを誇らしく思える瞬間です。
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